平成28年5月、中小企業や小規模企業の生産性向上をはかるための中小企業等経営強化法が国会で可決・成立しました。一定の条件を満たす機械装置を新たに導入した場合、固定資産税が3年間、1/2に軽減されるなどの支援措置が盛り込まれています。
中小企業等経営強化法の概要厳しい経営環境にある中小企業等の生産性向上を支援するため、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」を改正した中小企業等経営強化法が国会で可決・成立しました。施行は、公布の日(平成28年6月3日)から3か月以内とされていますが、政府はできる限り早い時期の施行を目指しています。なお、経営強化法には、税制上の遊具措置などがありますので、生産性向上のための事業計画作りに取組ましょう。
中小企業等経営強化法の概要
中小企業等経営強化法では、以下のような流れで中小企業等への支援が行われます。
(1)認定基準となる事業分野別指針が公表される
それぞれの事業の特性を踏まえ、事業者が行うべき経営力向上のための取組みや方法等を示した「事業分野別指針」が示されます。その指針は経営力向上計画の認定基準になります。経営力向上についての優良事例も公表されます。
注意 経営力向上の仕組みとは、商品・サービスの見直しのための顧客データの分析、ITを活用した財務管理の高速化、人材育成などをいいます。
(2)経営力向上の事業計画を提出して認定を受ける
中小企業・小規模事業者等は経営力を向上させるための事業計画(経営力向上計画)を「事業分野別指針」に沿って作成し国の認定をうけることができます。
なお経営策定・実施には、認定経営革新等支援機関になっている税理・税理士法人等がサポートします。
(3)認定事業者の特典が受けられる
認定を受けた事業者(認定事業者)は以下の支援措置が受けられます。
(支援措置)
①経営に基づいて生産性を高めるための機械装置等を購入した場合に固定資産税の課税標準を2分の1に軽減(3年間)
②商工中金による低利融資
③信用保証協会の保証限度額の別枠・保証枠の拡大
④食品製造業者等が民間金融機関から融資を受ける際の債務保証(食品流通構造改善機構)等々
!固定資産税が1/2に軽減される条件は?
中小企業等経営強化法の支援措
中小企業等経営強化法の1つとして、認定を受けた中小企業等(資本金1億円以下の企業など)が、一定の機械及び装置を新規に取得した場合、3年間、固定資産税の課税標準が2分の1に軽減されます。例えば、同法施工日から平成28年12末まで取得した設備は、同29年1月1日時点の所有する資産として申告されM同29年、30年、31年度の3年間、固定資産税が半減されます。赤字の中小企業が機械等を取得した場合も減税効果が期待できます。適用となる「一定の機械及び装置」とは次の要件をいずれも満たすものです。
機械及び装置の適用要件
①強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて取得する新規の機械装置
②1台または1基の取得価値が160万円以上のもの
③販売開始から10年以内のもの
④旧モデルと比べて生産性が年平均1%以上向上するもの
同法施工日から平成31年3月31日までの間に取得したものに適用できます。