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消費税改正に備えて再確認したい帳簿の記載事項

平成29年4月1日からの消費税率10%への引き上げが行われた場合、軽減税率が導入されると複数税率になります。インボイス方式の導入も予定されており、仕入税額控除の要件も厳格化されます。現在の記帳に不備がないか、再確認しておきましょう。

※上記事項は平成28年3月1日時点での法令に基づいて作成しています。

帳簿に記載する事項が不備だと仕入税額控除が受けられない?

消費税の仕入税額控除を受けるには「課税仕入等に係る帳簿及び請求書等の保存が必要」です。それらが保存されていない場合、仕入税額控除は受けられないことになっています。さらに、帳簿などを保存していても法廷記載事項をすべて記載していないと仕入税額が受けられません。仕入税額控除が認められないと、納める消費税が増加します。さらに税務署調査でそうした指摘がなされ、過去にさかのぼって更生となると、加算税や延滞税が課される事態にもなりかねません。

帳簿等の記載が不備で仕入税額控除が受けられなかったケース

A社は、現金出納帳及び仕入帳に課税仕入れの名称、仕入れた資産等の内容について、そのいずれかの記載しかなく、その課税仕入れが本当に行われたのかどうかを確認できる程度の具体的な記載がなかった。A社は、税務調査の初日においてその帳簿書類を提示したのみで、その後も帳簿及び請求書等の提示が一切なかった。結局、帳簿の記載要件を満たしていないとして仕入税額控除は認められなかった。

仕入税額控除を受けるための帳簿の記載事項とは?

仕入税額控除を受けるためには次の4点の記載が必須要件となっています。

(帳簿の記載事項)

①課税仕入れの相手方の氏名又は名称・・・原則的にはフルネームの記載となります。例えば法人であれば「株式会社鈴木商店」などと記載します。

②課税仕入れを行った年月日・・・商品の引き渡しを受けた日になります。相手先がサービス業の場合は、その役務を受けた日となります。水道光熱費や電話料金などの一定の使用料については「○年△月分」といった記載で良いとされています。

③課税仕入れに係る資産又は役務の内容・・・取引内容を記載します。商品の一般的な総称でまとめて記載するなど、仕入税額控除額を計算できる程度の記載でも差し支えありません。

④課税仕入れに係る対価の額(税込)・・・消費税込みの金額になります。仕入税額控除を受けるための記帳のポイントは下記のとおりです。

仕入税額控除を受けるための記帳ポイント

①取引先の請求書等の漏れや不備がないかチェックする

請求書等の記載事項は次のとおりです。

1.書類作成者の氏名又は名称

2.取引年月日

3.取引内容(品代などはダメです)

4.取引金額(税込)

5.書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称(基本的に上様などはダメです)

②非課税取引あるいは付非課税取引かどうか確認する

課税商品と日課税商品がある場合は区別して記帳します。

③記載事項に不備のない請求書等をもとにきちんと記帳する。

④日々、正確に記帳する

消費税にかかわらず、記帳は速やかに行いましょう。記帳が送れると間違いや漏れが発生する可能性が高くなります。日々、きちんと記帳された会計帳簿をもとに作成された決算書や税務申告書は信用が増します。

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